MicrosoftはCOMPUTEX TAIPEIで講演を行ない、同社のクラウドサービス「Azure」をコアにした、インテリジェントクラウド、インテリジェントエッジのソリューションについて説明しました。

■PC業界は引き続きプレミアムPCセグメントが成長、2020年に向けてインテリジェントエッジデバイスが成長していく

Microsoft コンシューマ・デバイスセールス担当執行役員 ニック・パーカー氏は「2017年は非常にいい年だった。Windows 10は過去のどのようなWindowsよりも早く立ち上がっており、すでに7億台が稼働している。またビジネス向けのWindows 10デバイスは昨年(2017年)に比べて70%の成長を見せており、商用、一般消費者向けを合わせたOffice 365の利用ユーザーは1億6,500万に達している」と述べ、Windowsエコシステムが引き続き成長していることを協調しました。

そして、この先の見通しとして「プロフェッショナルPCが11%、ゲーミングPCが12%、薄型ノートPCが14%、2in1型PCが13%成長すると見込まれている。引き続きわれわれの前にはビジネスチャンスがある」と述べ、会場に詰めかけたPC業界の関係者に対して、いわゆるプレミアムPCと呼ばれる高付加価値PCで引き続き成長の機会があると説明しました。

その上で、「2020年に向けてわれわれには新しい成長のチャンスがある。それがインテリジェントエッジだ。スマートホーム、スマートオフィス、自動運転自動車、スマートシティなど今後どんどんインテリジェントになっていくデバイスが増えていく。それを支えるのがMicrosoftのインテリジェントクラウド、インテリジェントエッジのソリューションだ」と述べました。

今後MicrosoftがAzureをベースにしたAIサービス、インテリジェントエッジ、センサーサポートなどの各種のソリューションを提供していくことで、パートナーのPCベンダーによるインテリジェントエッジデバイスの開発・製造の取り組みをサポートしていきます。

■Surface Hubのような機能をサードパーティに解放するWindows Collaboration Displays

パーカー氏についで登壇したMicrosoft プラットフォーム担当執行役員 ロアーニ・ソネス氏は、Microsoftのクライアントソリューションを説明しました。このなかでソネス氏は、すでに発表されているACPC(Always Connected PCs)やOEM製PCなどを紹介。

そして、新製品となる「Windows Collaboration Displays」を発表しました。

Windows Collaboration Displaysは同社がすでにSurface Hubとして自社ブランドで提供しているWindows 10デバイスの、OEMメーカー向け版となります。

Windows Collaboration Displaysは、タッチ/ペン/モーションセンサーなどを用いて、Office 365/Windows 10/EMS(Enterprise Mobility + Security)をセットにしたMicrosoft 365の各種アプリケーション(Office/Teams/Whiteboard)を利用できるディスプレイです

たとえば、オフィスの会議室などに置いておけば、会議時などにPowerPointの資料を呼び出してプレゼンしたり、Teamsの機能を利用して会議に参加していない人とやりとりしたり、さまざまな使い方が想定されます。

従来のSurface HubはMicrosoftブランドのみとなっていたが、このWindows Collaboration Displaysはサードパーティー/メーカー向けのプラットフォームで、Windows 10のPCと同じようにOEMメーカーが自社ブランドで製造、販売することができる。シャープとAvocorから発売が予定されており、今年(2018年)末までに市場に登場する見通しです。

■Azure Sphereでインテリジェントエッジデバイスを製造する基盤を一気通貫で提供

Microsoft 上級エンジニア ガレン・ハント氏は同社がRSA Conferenceで発表したAzure Sphereの説明に時間を割きました。

Azure Sphereでは、MicrosoftがMCU(Micro Controller Unit)の仕様を決定し、それをSoCベンダーなどに公開し、MCUを作成させる。このときにセキュリティが重要になるので、ハードウェアレベルでセキュリティを確保できるように、Pluton Security Subsystemと呼ばれるユニットを内蔵します。

そうすると、それがMicrosoftのクラウドサービスとなるAzureと協調して動き、高いセキュリティを確保する。インターネット上にデータは流れるものの暗号化するので、データの流失を防ぐことができます。

今回Microsoftが公開したのは、台湾のMediaTekが作成したAzure Sphereに対応したMCUで、前出のPluton Security Subsystem、Arm Cortex-A7プロセッサ、MicrosoftのハードウェアI/Oファイヤーウォール、さらにはWi-Fiなどが入っているという。

Microsoftはこうしたインテリジェントクラウド、インテリジェントエッジのソリューションをE2E(エンドツーエンド、一気通貫)で、Azure側のサービスインフラだけでなく、エッジデバイス側のMCUまでまとめて提供します。

それにより、すでにデジタル機器の開発経験があるPCメーカーだけでなく、そうした経験がないような、たとえばコーヒーメーカーを作っていたメーカーが「インテリジェントコーヒーメーカー」を作りたいと思った場合、Azure Sphereとその開発キット、Azureのクラウドサービスを一体的に提供することで、新規参入を促したいという意向があります。

ハント氏は「IoTは確かに注目されており、大きな機会があります。しかし、だからと言って参入すると今度はセキュリティのリスクに直面することになる」と述べ、セキュリティ面が万全なAzure Sphereの採用を呼びかけました。