Microsoftは米国時間8月8日、多数のセキュリティ脆弱性を修正する月例パッチを公開した。

Microsoftによると、深刻度が「緊急」に分類される脆弱性のうちの1つにより、「Windows Search」サービスがメモリ内のオブジェクトを処理する際にリモートでコードが実行される可能性があるという。攻撃者がこの脆弱性を悪用すると、影響を受けるコンピュータを完全に乗っ取ることができる。

攻撃者はその後、プログラムをインストールしたり、データを閲覧、改変、削除したり、完全なユーザー権限を持つ新しいアカウントを作成したりできるようになると、Microsoftはセキュリティアドバイザリで述べている。ただし、攻撃者は、特別に細工したメッセージをWindows Searchサービスに送信する必要がある。これにより攻撃者は、特権を昇格させ、「コンピュータを制御」できるようになるという。

また、企業の環境では、認証されていない攻撃者がSMB接続を介して、この脆弱性をリモートでトリガーする可能性がある。Trend Microの研究者は8月8日のブログ記事で、その拡散性の強さに言及し、「ワームの侵入を許す可能性がかなり高い」と述べた。

この脆弱性の影響を受けるのは、Microsoftがサポートしているバージョンの「Windows 7」、すべてのバージョンの「Windows 10」、および「Windows Server」システムだ。

詳細な技術情報や概念実証の結果は明らかにされておらず、攻撃者がこの脆弱性を悪用した事例はまだ報告されていないが、Microsoftは、この脆弱性を悪用した攻撃が今後行われる「可能性が高い」と警告している。

深刻度が「緊急」に分類された別のリモートコード実行の脆弱性は、旧来のJETデータベースエンジンに存在するもので、攻撃者にコンピュータを完全に制御される可能性がある。

攻撃者がこの攻撃を実行するには、悪質なデータベースファイルをメールで送信し、ユーザーをだましてそのデータベースを開かせることが必要になると、Microsoftは述べている。

ただし、この脆弱性は一般には公開されておらず、悪用される可能性は「非常に低い」ようだ。

Microsoftはこの日、セキュリティ更新用の月例パッチとして、他に46の脆弱性を修正するパッチを公開した。これらの脆弱性の半分以上が、「緊急」に分類されている。

 

 

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マイクロソフト、「Windows 10」にアイトラッキング機能を追加へ

企業のOSシェア「Windows 10」は13%--「Windows XP」を凌ぐ

  Microsoftは「Windows 10」にアイトラッキング(視線計測)技術の導入を計画している。

「Eye Control」と呼ばれるこの機能は、「Windows 10 Insider Preview」の最新テストビルドにすでに搭載されている。Microsoftは、2017年秋に「Windows 10 Fall Creators Update」の提供を開始する際、このアイトラッキング機能をパブリックベータ版として一般公開する計画だ。

Eye Controlは現在、スウェーデンのアイトラッキングベンダーであるTobiiの「Eye Tracker 4C」でしか機能しないが、Microsoftはほかの同様のデバイスにも対応させるべく取り組んでいる(Tobiiのアイトラッキング技術は、ゲーム用PCおよびモニターのメーカーの一部がすでに採用している)。Tobiiの技術は、コンピュータ上のカメラを使ってユーザーが画面のどこを見ているのかを追跡する。

Microsoftによると、Eye Control機能を最初に設計したのは、Microsoftが2014年に開催したハッカソン「One Week」のチームだという。元々は、既存の入力デバイスを使えない障がい者向けに、Windows搭載PCのアクセシビリティを高めることを意図していた。そうした障がい者の1人として、Microsoftの開発に協力しているのが、元フットボール選手のSteve Gleason氏だ。同氏は筋萎縮性側索硬化症(ALS)と呼ばれる神経筋疾患を患っている。

Eye Controlを使うと、視線だけで画面上のマウスとキーボードを操作したり、テキストを音声化したりできる。

 

 

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企業のOSシェア「Windows 10」は13%--「Windows XP」を凌ぐ

Windows 10の年2回アップデートで脱落していく旧世代PCたち

ある調査結果によると、企業が使用するOSにおける「Windows 10」のシェアが、サポート期間の終了した「Windows XP」を上回ったという。

Spiceworksのデータによると、2017年3月の時点で、Windows XP(2001年に発売)は世界の企業が利用するノートPCおよびデスクトップの14%に搭載されていたが、Windows 10のシェアは9%だったという。同社によると、現在では、Windows 10のシェアが13%に拡大したのに対し、XPのシェアは11%に縮小した。

この調査によると、「Windows 7」は依然としてWindows 10より高いシェアを誇っており、企業が利用するPCの68%に搭載されている。「Windows 8」と「macOS」のシェアは、それぞれ5%と2%だ。

またSpiceworksは、6月末の時点で、世界の企業の60%が約2年前にリリースされたWindows 10を使っているとしている。これは、おそらくその数字が与える印象ほど目覚ましいデータではないだろう。なぜなら、SpiceworksはWindows 10搭載PCを1台以上所有する全ての企業をカウントしているからだ。ただし、Spiceworksによると、Windows 10の60%という普及率はXP、Windows 8、および「Windows Vista」を上回っているという。このことは、大多数の企業が今後の導入に備えて、少なくともWindows 10のテストは行っていることを示唆している。

Spiceworksのデータは、同社のソフトウェアを使って組織内のノートPC、デスクトップ、サーバ、その他ネットワーク機器のインベントリを作成している企業からのデータに基づいている。

Spiceworksによると、42%の企業はまだWindows XP搭載機器を使っており、35%はWindows 8、7%はWindows Vistaを使っている。大多数(84%)はWindows 7搭載PCを使っているが、この比率は過去3カ月間で3ポイント減少している。

 

 

 

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Windows 10の年2回アップデートで脱落していく旧世代PCたち

Windows 10が使えるクラウドを認定する「QMTH」プログラムを8月開始

2017年はWindows 10大型アップデートの提供サイクルが3月と9月の年2回に固定された初めての年となる。この1年で2回目のアップデートに位置付けられる「Fall Creators Update(1709)」は、一般ユーザーに9月後半から10月初旬ごろに公開される見込みだ。

このMicrosoftが「最適化モデル(Current Branch)」と位置付ける一般ユーザー向けリリースの前段階には、Windows 10の開発に協力する「Windows Insider Program」参加者(Fast RingやSlow Ringなど)向けのリリースがあり、9月中旬までにはFall Creators Update相当のビルドが提供されるだろう。

●WaaSのアップデートサイクルとサポートは続く

こうしたFall Creators Updateに関する状況が見えつつある。

5月開催の開発者向けイベント「Build 2017」で公開された新機能の多くが加わる一方で、以前のレポートでも触れた通り、「タイムライン」と「クラウドクリップボード」の2つの目玉機能がFall Creators Update配信のタイミングでは搭載されない。

Fall Creators Updateは「Redstone 3」の開発コード名でも呼ばれるが、ここに盛り込まれる機能は8月に入って最終決定され、それ以降は最終的な機能調整やバグ修正が中心になる。搭載が見送られた新機能は次のアップデートサイクルに回されるため、9月中には「Redstone 4」の開発ブランチが登場し、次の2018年3月の大型アップデートに向けた作業が続いていく。

MicrosoftはWindows 10において、最新アップデートを適用した状態を維持し続ける限り、新機能の入手やサポートを受け続けられる「WaaS(Windows as a Service)」の仕組みを導入しており、その前提で年2回の大型アップデートサイクルを設定している。

●WaaSサイクルから脱落するデバイスとは?

しかし、これまで語られてこなかったが、WaaSサイクルから脱落するデバイスが少しずつ出てくることは問題だ。直近では、IntelのClover Trail世代のAtomプロセッサを搭載したPCに現大型アップデート「Creators Update(1703)」が適用できないことが話題となった。

米The Vergeによれば、最終的にMicrosoftがCreators Update以降のアップデートで同世代のプロセッサのサポートを断念したことを認めたという。最新版Windows 10でのサポートに必要なドライバの提供をIntelが既に打ち切っており、動作パフォーマンスへの影響なしにサポートを継続するのが不可能だというのがその理由だ。

従って、同プラットフォームへのCreators Update以降の大型アップデートの提供は取りやめ、前回の大型アップデート「Anniversary Update(1607)」を最終版としてパッチを継続的に提供するモデルへと切り替えるという。

ただし、その場合のサポートはClover Trail搭載デバイスにプリインストールされていたWindows 8.1のサポートライフサイクルにのっとる形となり、同OSの延長サポートが切れる2023年1月にセキュリティアップデートなどの提供が終了する。

MicrosoftはWindows 10のサポート終了期限を明示しておらず、あくまでWaaSをコンセプトとして将来的な継続サポートを約束している(ソフトウェアを最新版に保つことが前提)が、古いハードウェアを中心に今後もこれが維持されるかは難しいことがClover Trailの件で判明した。

仮にClover Trailより後の世代のAtomプロセッサであっても、例えば「OneDriveフォルダのNTFS制限」にみられるように、スペック不足が理由で継続利用が難しいケースが出てくる。いずれにせよ、WaaSの恩恵をユーザーが最大限に享受するためには、可能な限り最新のハードウェアを導入することが求められるわけだ。

●一般ユーザーに大型アップデートの適用は進んでいるが……

一方、Windows 10を利用するアクティブユーザーの多くは最適化モデル(Current Branch)を介して最新バージョンへと移行を済ませており、少なくともマジョリティーを対象としたWaaS戦略は一定の成功を収めていると言える。

Windows用アプリ向けのクロスプロモーション広告ネットワークを運営するリトアニアのAdDuplexが7月18日に発表した最新の調査報告によれば、Creators Updateを利用するWindows 10ユーザーの比率が50%を突破した。

ただしAdDuplexの説明では、Anniversary Updateは配信開始後の3カ月間でWindows 10全体に占めるシェアが4分の3に達していたのに対し、同時期のCreators Updateは2分の1と幾分かスローペースとなっている。

Anniversary Updateは諸処の問題で配信が遅れていたことも考慮すれば、Creators Updateの普及ペースはさらに遅いことを意味している。Fall Creators Update提供開始後の普及ペースも比べたうえで、大型アップデートに伴うシェアの推移はあらためて検証していきたい。

 

 

 

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Windows 10が使えるクラウドを認定する「QMTH」プログラムを8月開始

「Windows 10」PCのセットアップを簡素化する新機能「Windows AutoPilot」

マイクロソフトは、WindowsクライアントOSのライセンス規定を改定し、9月6日以降、Microsoft Azureおよび同社が認定するサードパーティーのクラウドで、Windows 10の仮想デスクトップ環境の利用を可能にした。
マイクロソフトは米国時間7月10日、WindowsクライアントOSのライセンス規定を改定し、9月6日以降、Microsoft Azureおよび同社が認定するサードパーティーのクラウドで、Windows 10の仮想デスクトップ環境(VDI)の利用を可能にした。同社はこれまで、マルチテナント型ホスティング環境でのWindowsクライアントOSの利用を許可していなかった。

併せて、Windows 10およびOffice 365の利用を許可するサードパーティーのマルチテナント型クラウドを認定する「Authorized Qualified Multitenant Hoster(QMTH)」プログラムを新設。8月1日からプログラムを開始する。QMTHプログラムに認定されたクラウドパートナーの詳細はまだ明らかになっていない。

AzureおよびQMTH認定クラウドに持ち込めるようになったWindowsクライアントライセンスの種類は、CSP(クラウドソリューションパートナー)が販売する(1)「Windows 10 Enterprise E3」サブスクリプションライセンス(SAまたはVDAの契約が必要)、(2)「Windows 10 Enterprise E5」サブスクリプションライセンス(SAまたはVDAの契約が必要)、(3)「Microsoft 365 Enterprise」に含まれるWindows 10 Enterprise E3/E5のサブスクリプションライセンス。

いずれも、ユーザー単位の月額制で利用できる法人向けライセンスだ。Windows 10アップデートの種類は「CBB(Current Branch for Business)」が適用される。

Microsoft 365 Enterpriseは、2016年から「Secure Productive Enterprise」の名称で提供していたサービスパッケージをリブランドしたもの(7月10日に開催されたパートナーカンファレンス「Inspire 2017」で新名称が発表された)。「Office 365 Enterprise」、「Windows 10 Enterprise E3またはE5」、Azure Active Directoryとモバイルデバイス管理サービス、セキュリティサービスをパッケージした「Enterprise Mobility + Security(EMS)」が含まれる。

「XenDesktop Essentials」が利用可能に
マイクロソフトは、AzureにホストするVDIサービスの提供においてシトリックスと提携しており、AzureからXenDesktopベースのWindwos 10 VDIサービス「XenDesktop Essentials」を3月にリリースしている。XenDesktop Essentialsは、リリースされたもののWindows 10ライセンスがAzureに持ち込めない状態が続いていたが、9月6日から、ようやく利用できるようになる。

また、5月にはヴイエムウェアもWindows 10のVDIサービス「VMware Horizon Cloud」をAzureから提供することを発表した。こちらは、2018年前半に提供開始予定だ。

 

 

 

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「Windows 10」PCのセットアップを簡素化する新機能「Windows AutoPilot」

Windows 10プレビュー「Build 16226」公開 片手カーブフリックキーボード搭載/GPUパフォーマンスが見られるように

 

新しい「Windows 10」PCのセットアップを簡素化するため、Microsoftが新しいクラウドベースのテクノロジ群を開発した。同社はそれを「Windows AutoPilot」と呼んでいる。

Windows AutoPilotと新しい「Windows AutoPilot Deployment Program」はいずれも米国時間6月29日に発表された。これらは、Windows 10のプロビジョニングおよびデプロイ体験の改善を目指すMicrosoftの最新の試みだ。

開発コード名に詳しい人はご存じかもしれないが、Microsoftは以前、自社のデータセンター管理テクノロジで「Autopilot」という名称を使用したことがある。しかし、Windows AutoPilotはそのMicrosoft Autopilotとは関係がなさそうだ。

Windows AutoPilotテクノロジは、4月に提供開始された「Windows 10 Creators Update」リリース(バージョン1703)に組み込まれているようだ。これに関連するMicrosoftのブログ記事には、次のように書かれている。

「これらの機能は今日、Windows 10(バージョン1703)向けに公開された。試してみたい人は、Windows AutoPilotのドキュメンテーションでそのプロセスが詳しく説明されているので、確認してほしい。『Microsoft Store for Business and Cloud Solution Provider』プログラムは近い将来、端末を登録してWindows AutoPilot Deploymentを設定する機能を組織やパートナーに提供する。われわれはAutoPilot Deployment設定体験を統合するため、MDMパートナーとも連携している」

Windows AutoPilot Deployment ProgramはOEM、ディストリビューター、および再販業者を対象としている。それにより、こうした企業がWindows 10 PCを組織や既存の「Azure Active Directory」、「Intune」モバイル端末管理サービスと組み合わせ、Windows 10 PCに「Office 365 ProPlus」をプリインストールすることで、「ビジネス対応」端末をユーザーに提供することが可能になる。

Surfaceチームは2017年夏、Windows AutoPilot Deployment Programの一環として、一部の顧客やパートナーと連携する予定だという。同プログラムは2017年中に、より広範な顧客に提供される。Microsoftは、Microsoft Store for BusinessとMicrosoft Partner CenterでWindows AutoPilotの機能を提供することで、企業やパートナーが自分で端末を登録できるようにすることも目指している。

 

 

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Windows 10プレビュー「Build 16226」公開 片手カーブフリックキーボード搭載/GPUパフォーマンスが見られるように

「Windows 10 Fall Creators Update」最新プレビュービルドが公開

米Microsoftが6月21日(現地時間)に、Windows 10 Insider Previewの最新版「Build 16226」を公開した。「Fast」リングに設定しているWindows Insider参加者は更新を適用できる。主な新機能は以下の通り。

●Windows 10 Mobileに搭載している片手用日本語キーボードをPC向けに採用

Windows PhoneシリーズやWindows 10 Mobileに搭載していた、一度のカーブフリックで濁点、半濁点まで入力できるタッチキーボードをPC上で使用可能になる。

また、日本語のIMEは予測候補の強化や、スペル訂正を使用した英語への変換候補のほか、変換候補の右側に表示される検索アイコンをクリックすることでその単語をブラウザで検索できるようになる。

●タスクマネージャーのパフォーマンスタブにGPUが追加

CPUやメモリの使用率や速度などを確認できる、タスクマネージャーの「パフォーマンス」一覧に新たに「GPU」を追加した。

この機能はまだ完成版ではなく、問題やバグを見つけたらフィードバックしてほしいとしている。

●「電卓」に通貨単位変換機能

Windows 10の「電卓」アプリには「コンバーター」機能があり、体積、長さ、重さをある単位から別の単位へ変換できる。この変換機能に、通貨も加えてほしいという要望が多かったため実装したという。

「オフラインでも通貨単位を変換できるため、旅行先などで余分なデータ料金を掛けずに済む」とMicrosoftは説明している。

 

 

 

 

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「Windows 10 Fall Creators Update」最新プレビュービルドが公開

「Windows 10」の次期大型アップデートに搭載される新機能とは

Microsoftの「Windows 10 Fall Creators Update」の最新テストビルド「Build 16215」には、多数の新機能とアップデートが含まれている。

この新テストビルドは米国時間6月8日、「Windows Insider」プログラムの「Fast Ring」テスター向けにリリースされた(Microsoftは同日、モバイル版「Windows 10 Mobile」の「Feature 2」アップデートのテストビルド「Build 15222」も公開している。幾つかの修正のみで、新機能は追加されていない)。

Build 16215は、Microsoftが先週うっかりPCテスターにリリースしてしまったビルドよりも新しい。Build 16215には、そのビルド(Build 16212)をインストールしたユーザーが気付いた機能の一部が含まれる。

「Action Center」の通知エリアに、アプリ用の別のセクションが追加された。さらに、「Windows Phone」のキーボードがデスクトップPCにも追加され、高度なテキスト予測を「Windows 10」のタッチキーボードでも利用できるようになる。Microsoftは、片手で使用可能なスマートフォンキーボード風の新しいタッチキーボードレイアウトも追加する。

ユーザーはマイクボタンを使って、デスクトップ上でディクテーションによって英語や中国語のテキストを入力できるようになった。この新しい機能には、基本的な編集や句読点の挿入を行う音声命令のサポートも含まれる。

Build 16215では、「Start」と「Action Center」でのMicrosoftの「Fluent Design System」(「Project NEON」)のサポートによって、Fall Creators Updateの全体的なルックアンドフィールが変更されている。

「Edge」ブラウザユーザーは、新しいフルスクリーンオプションや、ウェブサイトをタスクバーにピン留めする機能を利用できるようになる。

Microsoftは「Cortana」の複数の新機能をオプトイン機能として追加している。当初は、英語(米国)市場が対象となる。Cortanaのカメラロールインサイトは、ユーザーがイベントのポスターを撮影してカメラロールに保存した際に、リマインダーを作成するようユーザーに促す。

さらに、Microsoftは「Lasso」ツールをCortanaに追加する。これにより、「Press and Hold」(長押し)をサポートするペンを使って、画面上の関連情報を丸で囲むと、Cortanaがその日時を認識して、予定のフォローアップを提案してくれるようになる。

Microsoftは「Find My Device」機能を含む、新たなペンとインク機能を数多く追加した。

Build 16215の新しい手書き機能には、他にも、手書き用スペースをより多く確保できるように支援する新しい「conversion and overflow」モデルが含まれる。また、ユーザーは編集したいテキストを選択して、変換済みのテキストに手書きで上書きすることができる。Microsoftはペンスクロールのサポート(現時点では、「Universal Windows Platform」アプリのみが対象)とペン選択オプションも追加している。Build 16215には、「My People」や「Night Light」の改善、新しい動画再生設定、新しい共有機能「Copy Link」のサポートも含まれる。

 

 

 

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「Windows 10」の次期大型アップデートに搭載される新機能とは

Microsoft、ストアアプリのみが動く教育向けのWindows 10 Sを発表

米マイクロソフトは2017年5月11日(米国時間)、同社の年次開発者会議「Build 2017」で、Windows 10の次期大型アップデート「Windows 10 Fall Creators Update」の詳細を発表した。


Windows 10 Fall Creators Updateは、2017年後半にリリースされる予定。マイクロソフトによると月間アクティブ台数が5億台に達したというWindows 10デバイス上で、アプリ開発のための新しいデザインシステム、Windows/iOS/Androidで共通したマルチプラットフォーム対応の開発環境、新しいWindowsストアアプリ、開発者がWindowsを快適に利用できる新ツール、マーカーを不要とするWindows Mixed Reality(MR)モーションコントローラーなどを提供する。

マイクロソフト Windows & Devices担当エグゼクティブバイスプレジデントのテリー・マイヤーソン氏は、「マイクロソフトは、誰もが持つクリエイター精神を支援するためにWindows 10を設計している。Windows 10 Fall Creators Updateの新機能によって、これまでなかった(MRなどの)革新的な機能や、モダンな統一されたデザインによるデバイス間で共通の体験、そして、コンピューティングの未来に向けた開発者の創造活動を支援する」と述べている。

●Windowsデバイスでの「次世代の創造性」を築く新デザインシステム

Windows 10 Fall Creators Updateでは、アプリ開発のための新たなデザインの仕組みとなる「Microsoft Fluent Design System」を採用する。これは、あらゆるデバイスにおいて動きや見た目、操作体系などを共通化できるようにする環境を提供するもの。マルチプラットフォーム対応の表現力豊かなアプリの構築を支援する。

●Windows、iOS、Androidで共通のWindows体験を提供

Windows 10 Fall Creators Updateでは、iOSやAndroid搭載デバイスにおいても、Windows PCと同じ「共通のWindows体験」を提供する機能を拡充させる。

例えば、クラウドを軸に人、会話、プロジェクト、コンテンツの連携を支援するフレームワーク「Microsoft Graph」を用い、Windows、iOS、Androidの各デバイスをシームレスに横断できる仕組みを用意する。主要な機能は以下の通り。

○Timeline

使うデバイスや利用場所を問わずに、直前まで作業していたファイル、アプリ、Webサイトを再開、または過去の作業へさかのぼれるようにする「Timeline」機能を提供する。

○コルタナの機能強化

Windows 10 Fall Creators Updateでは、音声認識対応アシスタント機能「コルタナ」の利用範囲も拡充。上記のTimelineと連携し、Windows、あるいはiOS、Androidのどのデバイスからでも、中断した作業をすぐ再開できる仕組みを実装する。

○デバイス間のクリップボード共有機能

異なるデバイス間でクリップボードを共有できる機能を提供する。例えば、Windows PCでコピーした内容を、スマートフォンの検索窓にペーストするといった連携を手軽に行えるようにする。

○OneDrive Files On-Demand

OneDriveの「Files On-Demand」機能がWindows 10にも加わる。OneDrive上に保存するデータをローカルと完全同期せず、使うときだけダウンロードして活用したり、クラウドのままリードオンリーで表示したりできる機能。Windowsエクスプローラには、そのファイルが「どこにあるのか」「どう管理するファイルなのか」のステータスが表示されるようになる。「(セキュリティ性確保のために)ローカルに残さない」といった運用も容易になる

○写真と動画の新しい活用シーンを提案する「Windows Story Remix」

AI(Artificial Intelligence:人工知能)とディープラーニングを活用して、ユーザーの写真と動画を整理して動画ストーリーを自動作成するWindowsストアアプリ「Windows Story Remix」を提供する。

Windows Story Remixは、Microsoft Graphを使用してデバイス間でユーザーを結び付ける。日記、写真、動画を組み合わせて、サウンドトラック、テーマ、トランジションなどを駆使したムービーを自動的に作り出す。写真や動画に3Dオブジェクトを追加してMR(Mixed Reality:混合現実)を駆使した新しい方法でストーリーを表現したり、写真や動画をキャンバスにしてWindows Inkで書き込んだりすることもできる。

●「iTunes」がWindowsストアで提供される

Windowsストアでは2017年後半までに、人気アプリケーションをさらに追加していく。

まず、アップルの「iTunes」が2017年末までにWindowsストアで提供される予定。Windowsユーザーは、Apple MusicとiTunes Storeを含むiTunes機能をストアアプリ経由で利用できるようになる。また、iPhoneなどのiOSデバイスも、Windows 10およびWindows 10 S搭載PC上でサポートされるようになる。

この他、米オートデスクや独SAPなどがWindowsストアアプリの開発を推進する。例えばオートデスクがWindowsストアアプリ版として2016年夏にリリースした、ペイントとドローツール「SketchBook」は、2017年平均35%の成長率を維持し、同社で特に成長したプラットフォームとなったという。今後オートデスクは、3Dゲームエンジンとリアルタイムレンダリングのソフトウェア「Autodesk Stingray」にWindows MRを取り込む予定としており、SAPも「SAP Digital Boardroom」のWindowsストアアプリ開発を進めていくという。

●全ての開発者にとってWindowsを快適な存在にする

マイクロソフトは、WindowsとVisual Studioをあらゆる開発者にとって最適な環境にする方針を打ち出している。Windows PCやWindowsアプリケーションだけでなく、開発者があらゆるプラットフォームとデバイスを対象にできる開発環境を提供するというものだ。

Build 2017では、以下の開発者向けツールが発表された。

2017年後半に「.NET Standard 2.0 for UWP」と「XAML Standard」をリリースする。Web、C++、.NET、Windowsストアアプリ開発者に向け、Windows上でのマルチプラットフォーム開発作業を支援する。プラットフォームの垣根をなくす「Project Rome」も推進する。Build 2017では、UWP、Androidに加え、iOSのサポートも発表。開発者はモダンなコードによってWindowsとMicrosoft Graphを活用できるようになる。

Windows PCからiOSアプリの構築、テスト、デバッグを行える「Xamarin Live Player」も提供する。開発者はVisual StudioとiPhoneがあれば、iOSネイティブアプリの構築が可能になる。

この他、Linuxディストリビューションの「Ubuntu」をWindowsストアから提供する。Linuxディストリビューションは、「SUSE Linux」と「Fedora Linux」とも協業し、「Windows Subsystem for Linux」としてWindowsストアで提供することも発表した。2017年5月現在、WindowsはWindowsアプリとLinuxアプリを並べて実行できる唯一のプラットフォームであると述べている。

●マーカーが不要な「Windows MRモーションコントローラー」を投入

Windows 10 Fall Creators Updateでは、MR機能の強化が一層推進される。マイクロソフトは、この新しいコンピューティングフロンティアの構築のために開発者と協力し、あらゆる開発者にWindows MRを入手してほしいと考えている。例えば米国とカナダでは、Acer製(299ドル/約3万4000円)、HP製(329ドル/約3万7000円)の「Windows MR Headset Developer Edition」をMicrosoft Storeから予約可能になった。出荷開始は2017年夏、他国向けにも順次計画中としている。

さらにマイクロソフトは、マーカーを不要とするWindows MRモーションコントローラーも発表した。2017年5月時点で世界初という。同製品はWindows MRヘッドセットのセンサーを使って、従来より正確でレスポンシブな視界内のトラッキングが行える。この新技術搭載MRモーションコントローラーは、デバイスパートナーが2017年のホリディシーズン(年末)の一般販売を目指して開発中という。

 

 

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Microsoft、ストアアプリのみが動く教育向けのWindows 10 Sを発表

“Windows Update”から「Windows 10 Creators Update」へ更新してみた

Microsoftは2日(米国時間)、利用できるアプリをWindowsストアアプリに限定した教育向けOS「Windows 10 S」を発表した。

利用できるアプリをWindowsストアからダウンロードしたもののみに限定することで、クリーンなOS環境を維持できる。これにより、PCの起動からログイン、そして使用に至るまでの時間を短縮でき、教師は授業開始の時間を短縮するとともに統一しやすくなる。

Webサイトなどからストア以外のアプリをダウンロードし、インストールしようとすると、警告が表示されると同時に、似た機能を持つストアアプリを示す。また、教師は各PCにインストールするWindows 10 Sの機能や、無線LANなどの設定をあらかじめしておき、USBメモリにその内容を保存しておくことができる。箱から出した状態のクリーンなPCを起動し、セットアップの途中でこのUSBメモリを挿入するだけでセットアップを行なうことが可能になった。

既存の教育目的で利用されているWindows 10 Pro機に対しては、無償でWindows 10 Sを提供。また、Windows 10 SにはOffice 365 for Education with Microsoft Teamsのライセンスと1年間のMinecraft Education Edition利用権も付属する。

各社から、189ドル前後でWindows 10 S搭載ノートや2in1、タブレットも投入される。

なお、Sは「Streamlined」、「Secure」、「Superior Performance」、「Soul」といった複数の意味合いを持たせている。

加えて、今回の発表に合わせ、Word、Excel、PowerPointなどのOffice 365アプリも近日Windowsストアで公開することを発表した。

 

 

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