米Microsoft Corporationは14日(現地時間)、PC版「Windows 10 Insider Preview」の最新版Build 15058を、“Windows Insider Program”の“Fast”リングの参加ユーザーに対して公開した。現在、“Windows Update”から最新ビルドへ更新可能。

本ビルドにおける機能追加や改善のアナウンスは特になく、今回のアップデートはこれまでに報告された不具合の修正がメイン。デスクトップ右下にある評価版を示すウォーターマーク(透かし)が再び削除されており、次期メジャーアップデート“Windows 10 Creators Update”へ向けた準備が最終段階に入っていることをうかがわせる。

 

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Windows 10への移行準備はお早めに――、直前での大量買い換えは企業の負担大

IDC Japan株式会社(以下、IDC)は7日、国内企業で主に利用されているWindows 7のWindows 10への切り替え行動について調査し、その分析結果を発表した。IDCでは、2014年にすでにサポートが終了しているWindows XPの場合と比較分析をした結果、Windows 7のサポート終了時にも、Windows XPの場合と同様の、急激なPCの買い替えが進められる可能性が高いと警鐘を鳴らしている。

Windows 7はすでにメインストリームサポートが終了し、2020年1月には延長サポートの終了が予定されているため、企業では、サポート終了に向けた移行計画の立案、実行を順次進める必要がある。

直近で大規模なPCのリプレースが発生したWindows XPのサポート終了時は、その1年前、2013年の時点で、企業で稼働するPCのうち29.3%にWindows XPが搭載されていたという。企業規模別では、中堅中小企業(従業員数500人未満)が24.0%、大企業(従業員数500人以上)が35.4%と、端末台数が多くシステム規模が大きな企業の方が、Windows XP搭載PCの残存率が高かった。

当時、総務省やマスコミによるWindows XPのセキュリティリスクに関する注意喚起が再三行われたことなどから、2013年後半~2014年前半にかけ、Windows 7を中心とした次世代OSのPCへの買い替えが行われたが、その結果、この時期の国内PC出荷数は過去最大規模になっている。

一方で、Windows 7のサポート終了に伴うWindows 10への移行計画を分析すると、2016年時点でWindows 10への切り替え計画がある企業は、まだ約56%にとどまっている。企業規模別では、中堅中小企業が約45%、大企業が約67%となり、大企業の方の切り替え計画のある比率が高い。

IDCでは、こうした企業におけるWindows 10への切り替えの進ちょく率について、Windows 7サポート終了の1年前にあたる2019年で、65.4%と予測しているが、裏を返すとWindows 7の残存率は34.6%となり、同時期におけるWindows XPの29.3%と比べても高い数字となった。規模別では、Windows XPの場合と同様に、大企業の方が新しいOSへの切り替えが進んでいない結果になったという。

IDCでは、企業におけるWindows 10移行の主な阻害要因として、既存システムとの互換性を挙げているが、それとは別に、まだWindows 10を評価していない企業が約20%ある点を指摘。「企業では早めにWindows 10への移行計画を立てると同時に、評価を進め、問題点を把握してPCベンダーと解決していくことが必要」とした。

IDCが早期の移行を推奨している背景には、このままの状態が続くと、2019年あたりにWindows 7からの買い換えが起こり、その後一気に企業PC市場が冷え込むと予測しているためだ。

短期間に需要が集中し、その後低迷が長く続くと、PCベンダー、部品メーカー、販売チャネルなどPC業界関係企業のビジネスプランニングが困難になり、事業継続が難しくなるプレーヤーも出てきてしまう。同時にユーザー企業にとっても、単年でのPCの大量買い替えは急激なIT予算の出費となり、ほかのIT予算や会社の経費全体に対し、大きな負担になると考えられる。

こうした事態を避けるためには、PC業界が一丸となって、ユーザー企業におけるWindows 10への移行を促進し、PC買い替え需要の平準化を進めることが大事だとIDCは指摘している。

 

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Microsoft、PC版「Windows 10 Insider Preview」Build 15058を“Fast”リングへ公開

3分で分かる Microsoft Office の新機能

このコーナーでは、Microsoft Office 2016 の各アプリケーションやサービスの新機能を紹介します。Office 2016 は、2015年9月に発売されましたが、以降、さまざまな機能追加や改善がなされています。Office Premium 搭載PCか Office 365 Solo を使っている人は、自動的にそれらが利用可能となります。

第1回目は、クラウドを通じた、共有、共同作業の新機能をご紹介します。操作方法などは、動画を参照ください。

※一部、Insider Preview利用者のみ先行利用可能なものも含まれます。また、Office 365 は常時アップデートされているため、対応アプリや、内容について、更新されている場合があります。

■1. 新しい送信オプション□対応アプリ: Excel、PowerPoint、Word

ワークシートの領域を離れなくても、[共有]ウインドウからドキュメントを添付ファイルまたはPDFファイルとして送信できます。Officeアプリのリボン右端にある[共有]を押し、[共有」ウインドウの最下段にある[添付ファイルとして送信]を押します。

[コピーの送信]を押すと、既定のメールアプリ(あるいはOutlook)が起動し、添付ファイルとして送信できます。

[PDFを送信]を押すと、同様にそのファイルをPDF化して添付ファイルと送信できるため、Officeを持っていない人に送る際に好適です。

■2. 他のユーザーとリアルタイムで編集作業□対応アプリ: PowerPoint

PowerPoint は、OneDriveに保存し、他のユーザーと共有したファイルに対して、そのユーザーとリアルタイムで同時に編集を行なえます。

他のユーザーが作業した場所を確認し、入力が行なわれているときに変更箇所が表示されます。プレゼンテーションに対して他のユーザーと共同で作業している場合、プレゼンテーションに対して作業を行なっているユーザーだけでなく、それぞれのユーザーが作業しているスライドも確認することができます。

ファイルに修正が加えられる度に、OneDrive でバージョン履歴が保存され、OneDrive から前のバージョンを開くことができます。OneDrive for Business 利用者の場合は、Office アプリのリボン右端の[アクティブティ]ボタンを押して、過去の全てのバージョンを一覧表示できます。

MicrosoftのWindows 10などに影響する未解決の脆弱性が見つかった問題で、米セキュリティ機関CERT/CCは2月3日、脆弱性情報を改訂して危険度評価を引き下げた。Microsoftは2月の月例セキュリティ更新プログラムでこの問題に対処する見通しだ。


脆弱性はSMBトラフィックを処理する際のメモリ破損問題に起因する。悪用された場合、サービス妨害(DoS)状態を誘発される恐れがある。コンセプト実証コードもGithubで公開され、Windowsがクラッシュする現象が確認されていた。

CERT/CCは2月2日にセキュリティ情報を公開した時点で、Windowsカーネル権限で任意のコードを実行できる可能性も指摘していたが、3日の改訂ではこの部分が削除された。危険度評価は当初、共通脆弱性評価システム(CVSS)で最大値の10.0としていたが、改訂後は7.8に引き下げている。

Kasperskyのセキュリティニュースサイト「threatpost」によると、Microsoftはこの脆弱性の深刻度は低いと判断しているといい、「低リスクの問題については、月例アップデートで対処している」とコメントした。

米Microsoftは1月10日に公開した月例セキュリティ情報を最後に、長年続けてきた更新プログラムに関する情報提供の方式を変更する。2月からは従来の月例セキュリティ情報ページへのサマリー掲載を中止し、新ポータルのみを通じて更新情報を提供する。

これまで同社は毎月第2火曜に、セキュリティ情報サイトを通じて月例セキュリティ更新プログラムに関する情報を一括公開し、各製品ごとに修正された脆弱性について説明を行ってきた。

Microsoftによると、2月以降はこの方式を廃止し、代わって新ポータルの「Security Update Guide」(現在はプレビュー版)を通じて、ユーザーが自分の使っている製品について、KBやCVE、日付のほか、製品カテゴリーや製品名、深刻度、脆弱性の種類といった、さまざまな条件で、脆弱性情報を検索して閲覧できるようにする。

これまでの月例セキュリティ情報に使っていた「MS16-XXX」という形式の識別番号も、1月の月例情報を最後に廃止する。

月例セキュリティ情報のサマリーページは、1月10日を最後に更新されなくなる。代わってSecurity Update Guideのサイトの「ソフトウェア更新サマリー」ページで、期間を指定して更新情報を確認できるようにする。

Security Update Guideでは、登録ユーザーを対象に、新しい情報が追加されたり情報が更新されたりしたときに、通知を受け取る機能も追加する予定だ。定例外のセキュリティ更新プログラム公開についても、引き続き通知を続けるとしている。

「OFFICEのプロダクトキーが不正コピーされています」、Microsoftをかたるフィッシングメールが出回る

 

Microsoftをかたるフィッシングメールが出回っている。誘導先となっている偽サイトは1月12日正午現在も稼働中であることを編集部で確認しており、Microsoftアカウントのメールアドレス、パスワードなどを絶対に入力しないよう注意してほしい。


現時点で編集部で確認しているフィッシングメールの送信先メールアドレスは「support@microsoft-securityprotection-support.com」で、件名は「ご注意!!OFFICEのプロダクトキーが不正コピーされています。」というもので、本文では、Officeのプロダクトキーが不正コピーされ、攻撃者がオフィスソフトの起動を試みているとして、Microsoft Officeのウェブサイトのデザインを模した偽サイトへ誘導する。

偽サイトでは、24時間後にプロダクトキーを無効化するとして、Microsoftアカウントとパスワードの入力を促す。「今すぐ認証」をクリックすると、Microsoftアカウントのサインイン画面が表示される。

日本マイクロソフト株式会社では、同社製品に関する質問や回答を行う対話フォーラム「マイクロソフトコミュニティ」への質問に対して、『ご注意!!OFFICEのプロダクトキーが不正コピーされています。』という件名のメールについては、マイクロソフトから送信しているメールではございません。該当のメールは開かず、削除いただくようお願いいたします」としている。

離席厳禁!アップグレード中のWindowsが無防備になる!? Shift+F10キーの仕様が危ない理由

Windowsセットアップでの[Shift]+[F10]キーにて、パーティション操作やドライバのコピー、既存のインストールのトラブルシューティングなどに利用できる

Windows 10を「Current Branch(既定)」で利用している場合、年に複数回、機能更新プログラムが提供され、Windows Updateを通じて自動更新されます。この機能更新プログラムのインストール中に[Shift]+[F10]キーを押すことで「コマンドプロンプト」を開き、管理者権限でファイルシステムの操作やその他の操作を実行できてしまうという問題が、以下のSami Laiho氏の公式ブログで指摘されました。

<危ない理由>ここで、ユーザーの離席中にこっそり管理者ユーザーを作成しておけば……

日本でも一部のIT系メディアで紹介されたので、ご存じの方も多いと思います。また、Windows 10の新たな脆弱(ぜいじゃく)性と伝えているメディアもあるようですが、それはちょっと違います。

マイクロソフトは、Windows 10 バージョン1511(通称、November Update)まで「アップグレード」と呼んでいたものを、Windows 10 バージョン1607(通称、Anniversary Update)から「機能更新(Feature Update)」と呼ぶようになりました。

機能更新に対して、より頻繁に提供されるセキュリティ更新や累積的な更新は「品質更新(Quality Update)」と呼ばれます。

アップグレードの名称を「機能更新」にしたからといって、その仕組みが変わったわけではありません。機能更新は事実上、“OSの新バージョンへのアップグレードインストール”です(画面1)。そして、Windows 8.1以前とは異なり、Windows 10では既定でこのアップグレードインストールが自動的に行われるようになったことが今回の問題に大きく影響している、と筆者は考えます。

●[Shift]+[F10]キーはWindowsセットアップの古くからの“仕様”

「Windowsセットアップ」の実行中に使える[Shift]+[F10]キーは、コマンドプロンプトを開いて作業できるという“裏技的なテクニック”です。Windowsに詳しい個人のパワーユーザーや企業のIT担当者であれば、ディスクのパーティション操作やWindowsのイメージング作業(ディスクイメージのキャプチャーや展開)に活用してきたでしょう(画面2)。筆者自身、[Shift]+[F10]キーでコマンドプロンプトを開いて、パーティション構成のカスタマイズやイメージング作業に利用してきました。この機能がないと、筆者としては作業が面倒になるので困ります。

以下の古いサポート技術情報にあるように、Windowsセットアップを実行中に[Shift]+[F10]キーでコマンドプロンプトを開いて操作できるのは、Windows 2000やWindows XPからの仕様です。Windows 10の新たなバグではありません。

●[Shift]+[F10]キーの仕様が危ない理由

筆者は、つい最近までこれは新規インストールの開始直後に使えるテクニックであり、Windowsセットアップを実行している「Windows PE(Windows Preinstallation Environment:Windowsプリインストール環境)」のコマンドプロンプトを開く操作とだけ考えていました。最近になって、Windowsセットアップのかなり後の方まで使えると気が付きましたが、脆弱性という視点で考えることはありませんでした。

今ならはっきり言えます。特定の条件下にあるセットアップ中のPCでは、重大な脆弱性になる場合があります。特に、Windows 10はその影響を受けるケースが多いと思います。

実は、Windowsセットアップの[Shift]+[F10]キーはWindows PEのコマンドプロンプトを開くものではなく、今現在Windowsセットアップを実行中のWindowsのコマンドプロンプトなのです。

つまり、新規インストールやアップグレード中の再起動により、[Shift]+[F10]キーを押して表示されるのはWindows PEではなく、途中からインストール中のローカルOSのコマンドプロンプトに切り替わるのです。ローカルOSのコマンドプロンプトを、パスワードなしで最上位特権を持つシステムアカウント(NT AUTHORITY\SYSTEM)の権限で開けるのです。実行中のWindowsのコマンドプロンプトですから、「BitLockerドライブ暗号化」で保護されているかどうかは関係ありません(起動しているOSなので、BitLockerドライブ暗号化のロックは既に解除された状態です)。

Windows 10の機能更新プログラム(アップグレード)は、既定でWindows Updateを通じてダウンロードされ、自動更新でインストールが開始されて、再起動後にアップグレードインストールの処理に移ります。アップグレードインストールなので、完了するまでは結構な時間(1時間以上)がかかります。

Windows 10の機能更新プログラムと品質更新プログラムは、インストール中に区別するのが難しいでしょう。機能更新プログラムのアップグレードなのに、いつものWindows Updateだと思って、終わるまでPCのそばから離れたとしましょう。PCの周りに不特定多数の人がいる場合、あるいはあなたを陥れようとしている同僚がいる場合、[Shift]+[F10]キーを悪用されるかもしれません。

例えば、[Shift]+[F10]キーでコマンドプロンプトを開き、数行のコマンドを実行するだけでこっそりローカル管理者権限を持つユーザーを作成できます(画面3)。後はあなたがいない別の日に作成しておいた管理者ユーザーでPCにサインインして……というようなことになるかもしれません(画面4)。

PCが脆弱な状態になるのは、Windows UpdateによってWindows 10の機能更新プログラムのインストールが開始して、最初の再起動後からアップグレードの完了までの間、第三者が物理的にPCにアクセスできる(コンソールの表示とキーボードの操作)場合です。

もし、インストールメディアやWebで公開されている手動インストール用のプログラムを使用してアップグレードインストールを開始したという場合は、Windowsセットアップを開始した直後からになります。

Windowsセットアップを手動で開始した場合、再起動前の時点でも[Shift]+[F10]キーを押すことで、管理者特権を昇格した状態でコマンドプロンプトを開くことができてしまいます(画面5)。Windowsセットアップを開始するときは、「ユーザーアカウント制御(User Account Control:UAC)」による昇格が要求されますが、[Shift]+[F10]キー操作はUACでブロックされることはありません。

個人が自宅でWindows 10を利用している分には問題はないでしょう。また、毎月複数回やってくる通常の品質更新プログラムについては、アップグレードインストールではなく、更新プログラム(.msu)のインストールなので、[Shift]+[F10]キーでコマンドプロンプトを開くことはできません。安心してください。企業でWindows 10 PCを利用していて、企業向けの更新管理環境を利用せず、Windows Updateにお任せしているという場合は、アップグレード中にPCが長時間(1時間以上)、脆弱な状態になっていることにご注意ください。

●[Shift]+[F10]キーが問題になるのはWindows Updateによる自動更新になったから

繰り返しになりますが、インストールやアップグレード中に[Shift]+[F10]キーを使えるのは、Windowsセットアップの古くからの仕様です。Windows XPとWindows 7の新規インストール、およびWindows 8からWindows 8.1へのアップグレードインストールで、インストールの後半部分で[Shift]+[F10]キーを押したらどうなるのかやってみました(画面6、画面7、画面8)。Windows 10と同じように、ローカルOSのシステムアカウント権限でコマンドプロンプトを開くことができました。

Windows 8以前、企業におけるアップグレードインストールはIT担当部門が計画して実施する作業であり、エンドユーザーにとって身近なものではありませんでした。ほとんどの場合、マイクロソフトの運用管理ツール「System Center Configuration Manager」や他社ESD(Electronic Software Distribution)ツールを使用して、夜間に一斉にアップグレードするなどしていたと思います。

Windows 10においても、そのように適切に管理されていれば、この問題にエンドユーザーが遭遇することはないでしょう。個人の場合、よほどPCに詳しいか、新しいもの好きでなければ、これまではプリインストールされていたOSバージョンをそのまま使用するのが普通だったと思います。

Windows 10からアップグレードインストールがWindows Updateに統合され、しかも自動更新が既定ということになったことで、ITプロフェッショナル向けのお助け機能だったものが、PCを長時間、脆弱な状態にしてしまうことになったわけです。

米Microsoft Corporationは26日(現地時間)、公式ブログ“Office Blogs”で、12月に「Office 365」へ実装された新機能を公表した。アクセシビリティ関連の機能強化が多数盛り込まれている。

まず、Windows デスクトップ版の「Word」「Excel」「PowerPoint」「OneNote」「Outlook」「Visio」にアクセシビリティチェッカーが搭載される。これはリボンの[校閲]タブから利用可能で、障碍者がドキュメントを利用する上で問題になりそうなポイントを発見し、修正するのを助けてくれる。

加えて、「Word」および「PowerPoint」では画像の代替テキストをサジェストする機能が追加される。画像の代替テキストはスクリーンリーダーなどに頼る必要のあるユーザーにとってコンテンツの内容を知る貴重な手掛かりとなるが、視覚に問題がないコンテンツ制作者にとっては設定が億劫で、蔑ろにされがちだ。これを解決するために搭載されたのが本機能で、機械学習を利用した同社の画像処理を行うクラウドAPI“Computer Vision API”を活用することにより、画像の内容を解析してそれにふさわしい説明文を自動で生成してくれる。なお、この機能が利用できるのは「Office 365」の購読ユーザーに限られるので注意。

そのほかにも、「Outlook」のメール作成時にミスを指摘してくれる機能“MailTips”でもアクセシビリティ関連のオプションが追加される。また、「Outlook」に搭載されているような、最近利用したリンクを簡単に挿入する機能がWindows版の「Word」「Excel」「PowerPoint」にも導入される。この機能では“SharePoint”や“OneDrive”で利用されたファイルの履歴も参照することが可能で、挿入されたハイパーリンクはスクリーンリーダーを利用する障碍者のことも配慮したわかりやすい形式で貼り付けられる。

Microsoftは米国時間12月13日、一部の「Windows 10」PCがインターネットに接続できないという問題に対処するアップデート「KB3206632」をリリースした。この問題は、ローカルIPをルータから取得する要求が完了できないために発生するものであり、最近リリースされたアップデートに起因すると考えられている。

Microsoftによると、この問題はCDPSvc(Connected Devices Platform Service)でのサービスのクラッシュによって引き起こされていたという。

同社の広報担当者は「一部の顧客から報告されていた接続性に関する問題は、12月13日にリリースした、自動的にインストールされるアップデートによって解決される」と述べている。

また同担当者は「このアップデートを入手するにはまず、タスクバーの(左にある)スタートボタンを選択し、電源ボタンをクリックした後、シャットダウンではなく再起動を選択してPCを再起動する必要があるかもしれない。追加情報については、サポートフォーラムの内容を参考にしてほしい」とも述べている。

今回の問題によって影響を受けた「Windows」ユーザーは多岐にわたっており、英国の大手インターネットサービスプロバイダー(ISP)であるPlusnetやVirgin Mediaには、9日のアップデートを適用した後にオンライン接続ができなくなったという苦情が寄せられていた。

デバイスにローカルIPアドレスを割り当てる際に、PCはルータからDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)情報を取得する必要がある。今回の問題は、CDPSvcのクラッシュによって、その処理が完了できなくなったために発生したと考えられている。

Microsoftは、この問題がどのアップデートによって引き起こされたのかを明言していないものの、9日にリリースされた「KB3201845」だと考えられている。同社は「KB3206632」のリリースノートに、同アップデートが「KB3201845」を置き換えるものだと記している。


これから始まるWindowsの大冒険

 

中国・深センで開催中のWindowsハードウェア技術者向けのカンファレンスWinHEC 2016において、MicrosoftとQualcommのパートナーシップが発表され、Windows 10の64bit版がQualcomm SOCをサポートすることが明らかになった。基調講演のステージでは、実際にSnapdragon 820上で稼働するWindows 10がデモンストレーションされ、会場を沸かせた。

■バッテリがスマートの足をひっぱる

Windows 10 Mobileではなく、フルWindowsである。カーネルと標準アプリ、周辺デバイスドライバはARMネイティブで、Win32アプリについてはIAエミュレーションでサポートするという。現行のWindows 10がUbuntuをサブシステムとしてサポートしているようなイメージかと思ったが、実際には似ているけれど違うという。技術的な詳細についてはまだ分からない。

これによって、Windowsは、IAで稼働するそれよりも、大幅な省電力を手に入れる。Microsoftによれば、IAプロセッサの圧倒的な性能とQualcomm SOCの優れたパワーマネジメントの両面で新しい市場を開拓できるはずだという。

世の中の多くのユーザーは、デバイスを日常的に使うのに不安がない長いバッテリライフを求めている。朝でかける時に、フル充電の状態で持ち出せば、夜遅くに戻る時にも、ある程度のバッテリが残っていれば安心だ。スマートフォンと同様に、時代は、PCにも、そうした使い方のモデルを求めているわけだ。もっとも、今やスマートフォンのバッテリでの駆動時間は深刻で、ちょっとヘビーなユーザーなら、必ずといっていいほどモバイルバッテリを持ち歩いている。ARMで稼働するWindowsだからといって、本当に大きな改善が手に入るのかというと、そこには多少の不安もある。

■飛ぶ鳥は落とさないで一緒に飛ぼう

Qualcomm SOCでフルWindowsが動くようになることで、Windowsはその競合を、AndroidやiOSにまで拡げることになる。これまでは、いわばサブセットといってもいいWindows 10 Mobileで戦ってきた。ARM系プロセッサにフルWindowsは荷が重いと勝手に思い込んでいた節がある。いや、それ以前に、UWPのみの世界へのシフトを目論んでいた印象もある。

だが、ARMは着々と処理能力を上げ、処理能力的にフルWindowsを稼働させるのに十分な実力を身に付けた。そして、その実力は、この先も伸び代がある。ムーアの法則を堅持しようとしているのはIntelだけではないからだ。

もちろん世の中にはバッテリを馬鹿食いしても性能を求めるユーザーがいる。それでなければ成立しないユセージモデルもある。だからIntel Coreプロセッサの圧倒的な処理能力は、これからもその期待に応え続けるだろうし、その能力を活かすのはWindowsにほかならない。特に、インタラクティブなコンピューティングではその存在感は絶大だ。

経緯として、異なるハードウェアとしてのプロセッサはOSが仮想化してきた。そして、異なるOSをアプリが仮想化する。これはすごく理想的だ。コンピュータの処理能力が高まるにつれ、仮想化のためのオーバーヘッドもだんだん無視できる程度のものに収束しつつある。

これまでのMicrosoftは、特にモバイルのカテゴリにおいて、なりふりかまわずアプリを各OS用に用意してきた。まるでWindowsにこだわるのをやめたかのようで、このままクラウドサービスの会社に徹するのかとさえ思えるくらいだった。

勝負に使うにはWindows Mobileが力不足気味だったこともあるのだろう。Windows 10 Mobileになって、Continuumのような機能が注目されたということは、やはり、多くのユーザーがポケットに入るWindows、できれば、これまで慣れ親しんできたWindowsと同じように使える存在を求めているということなのだろう。

だからこそ、Microsoftは、例えそれがWindowsの立ち位置を脅かすであろうAndroidであろうがiOSであろうが、なりふりかまわず、同じアプリが使えるようにしてきた。

そして次はOSだ。しかも、サブセット的なMobile版ではなくフルWindowsだ。

■アプリの開発者はハードウェアの違いを考えなくていい

WinHEC 2016の基調講演では、HoloLensについても言及されている。現行で開発者向けに提供されているHoloLensはCherry TrailことIntelのAtomプロセッサを搭載したスタンドアロンのWindows PC的ハードウェアだが、公演後のQAセッションでMr. HoloLensことAlex Kipman氏は、ARM搭載HoloLensを完全には否定しなかった。今のところは考えていないが可能性もあるようなのだ。

そもそもHoloLensはハードウェアスペックが固定されたものではない。一般的なPC同様に、ハイエンドからローエンドまで、そのユセージモデルごとに異なる性能、仕様のものが使われる可能性が高い。そのハードウェア仕様の違いを吸収するのがWindows Holographicだ。

個人的に何度かHoloLensを体験してきたが、現行の開発者向けHoloLensは、のぞいた時のガッカリ感が強い。HoloLensの世界観はシースルーのリアルとHolographicのバーチャルを組み合わせたMixed Rearityによって実現されているから余計にそう感じる。リアルとバーチャルの解像感が違いすぎて、なんだかMSX時代のスプライトを思い起こしてしまったりもするからだ。

だが、超絶解像度のHoloGraphicをサポートするHoloLensもありだ。TrueTypeFontが、画面の解像度に応じてクリアな書体を実現したのと同じことだ。Kipman氏の説明を聞いて、ちょっと安心したところもある。

そして、こうなると、Windows for IoTは、これからどういう道をたどるかというと、想像に難くない。これからグンと市場が広がることが分かっているシーンで、Microsoftが何をすればいいのかは自明だし、そのためにQualcommやARMとの協調路線をとっておくのは大事なことだ。

■そしてIntelの奥の手はあるのか

歴史は繰り返す。今、起ころうとしているのは、デスクトップPCをノートPCが席巻し、据置ノートPCをモバイルノートPCが置き換えようとしている状況にも似ている。つまるところは、全てがパーソナルに向かっているのだ。パーソナルに手放せないデバイスとして使いたいからこそ、それが例え電源アダプタであったとしても、他者の束縛からは逃れたいと誰もが思っているのだ。

スマートフォンの急速充電は何のためにあるのかを考えたことがあるだろうか。バッテリを素早く充電できるようにすることで、充電しなくてもいい時間を少しでも長くするためだ。誰もがパーソナルなスマートデバイスに機動性を求めている。5分で18時間分の充電ができるなら、誰も普段は充電なんてしないだろう。でかける前にちょっとチャージすれば十分だ。

Windows PCが、そんな願いを叶えるスマートデバイスになるためには、少なくとも今は、ARM陣営の雄としてのQualcommの力が必要だったということなのだろう。さあ、これでIntelはどう出てくるか。アッと驚く切り札が用意されているのかもしれない。年も押し迫ったこの時期に、来年(2017年)が、思いっきり楽しみになるような話題が飛び出した。なんて幸せな時代に生きているのかと思う。